丹波竜発掘現場

 兵庫県丹波市山南町上久下


2006年5月

 ゴールデンウィークの4月30日。兼ねてより気になっていた、丹波市山南町上久下にある、上久下村営発電所跡を訪ねました。入口の標柱はたまに確認していましたが、道路からは屋根らしき物が見えるものの、県道から外れた細い道路に面しているため、発電所跡まで足を伸ばすことがありませんでした。標柱に従って道路を曲がり(注:今は通行できません)、発電所跡に車を横付けして、写真を撮りました。発電所案内の看板も設置されていますが、建物は老朽化が激しく、中へはいることはできません。
 すぐ下には篠山川が流れています。大きな岩が露出し、岩の間を縫うように渓流がしぶきをたてて流れています。岩がおもしろいので、河原に下りて写真を撮りました(注:今は立ち入り禁止です)。まさかそこに恐竜の化石が眠っているなどとは夢にも思わず、岩の上を歩き回っていました。もう少しじっくり観察して、岩から突き出た骨の化石を見つけていたならば、今頃私は超有名人・・・!?

趣のある上久下発電所跡。
岩と渓流のコントラストが美しい。
河原から発電所跡を見上げる。
この岩から化石が発見!

 私が発電所跡を訪れたのが、2006年4月30日。その3ヶ月後の8月7日に、丹波竜の化石は発見されることになります。どうやら、上の※印の写真の、「か」の文字の上にある白い2つの点あたりが怪しいようです。


2007年5月

 今の情況はどんなだろうと、1年ぶりに訪ねてみることにしました。発掘が一段落したとのことで、見物人も少なくなったようです。それでも、たまに訪れる人はあるようで、今日も平日にかかわらず、私が行っているあいだにもうお一方、ご婦人が見えました。
 すぐ横を、JR福知山線が走っています。電車から発掘現場は見えませんが、発電所跡は見えるはずです。特急「北近畿」は、徐行する気配も見せずに走りすぎていきました。
 現場には、発掘の様子を案内する掲示板が設置されています。警備と案内を兼ねて、地元の方がボランティアで待機されていました。まだ今は尾の一部の化石しか見つかってませんが、それでもこれだけたくさんの骨の化石がまとまって見つかったのは、初めてのことだそうで、世紀の大発見と言われています。
 化石を含んだ岩は、ごっそり石膏で固めて搬出され、現在クリーニング中。発掘現場は、今はコンクリートで固められています。
 胴体部分の化石も岩に埋まっている可能性が高いのですが、このあたりは地層が斜めになっているため、これからの発掘は、岩盤を相当深く掘り下げる必要があるようです。秋以降に発掘が再開されるとか。
 恐竜化石の発掘を期待したいところですが、おもしろい形の岩が露出している景観が壊されていくのも、名残り惜しい気がします。

特急「北近畿」が駆け抜ける。
発掘の様子がわかる掲示板。
今はコンクリートで固められている。
対岸。地層が斜めになっている。

 発掘の様子は、三田人と自然の博物館のHPなどに詳しいので、そちらをご覧ください。


2008年5月

 まだ化石が発見されるまえに、化石の発掘現場を訪れたのが、ちょうど2年前のゴールデンウィークでした。人っこ一人訪ねることのない、朽ちた発電所跡の河原から、こんなに貴重な恐竜化石が発見されるなんて、びっくりです。
 5月3日〜5日にかけて、山南住民センター(旧山南町役場)で、「丹波竜フェスティバル」が開催されていると聞き、出かけてきました。運動不足の解消を兼ねて、自転車で、5月のそよ風に髪をなびかせながら(実際は汗をかきながら)行ってきました。

 会場には、第1次発掘で持ち込まれた状態の化石の、実物大のレプリカがゴロンと展示されています。大迫力です。そして、ガラス越しに化石のクリーニング作業をされている様子も見ることができるのですが、その後ろには本物の化石のブロックが置いてあります。おお、これが一億数千年前の恐竜化石か!と、感激。残念なのは、レプリカも含めて、写真撮影が禁止になっており、ここで紹介できないことです。本物はわかるけど、せめてレプリカは撮影可にしてほしかったですね。ということで、「丹波竜化石工房」入口の写真です。


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